ボブ太郎の余暇とひとりごと

女子ウケしない、旅とか趣味とか。

ミュージカルCHICAGOを観た!

今週のお題「名作」

 

ワガママに生きる格好良さ。

「一番好きな映画はなに?」と聞かれてもなかなか絞れないのだが、絞れない数作品の中に必ず入る作品のひとつが「CHICAGO」。この映画を初めて見たときは衝撃だった。ずるくて、感情的で、道徳心のかけらもなくて、エゴばっかり強い、むしろちょっとみっともないくらいに「裸の女王様」な女たち。なのにそれが超絶美しくてかっこいいのである。理屈で考えればロキシーもヴェルマもママ・モートンも美徳なんてあったもんじゃないのに、気づいたら大好きになっている。まさに音楽と作品のもつ世界観の力だと思う。女が強い物語、最高!なんだってあり!つまり All that JAZZってこと。

っていうか、あれかもな。ロキシーもヴェルマも作品内ではエゴの固まりのような女だが、ここに至るまではどうやっても思い通りに生きられなかったり、身近なひとに裏切られたり、そうした「女が生きづらい」時代背景的なものがあるからこそ、同じ女としては憎み切れないのかもしれない…。

ロキシーもヴェルマもタフだがそれなりに雑に扱われてたり、世の世知辛さだって味わっている気がする。それなのにこの人たち、いわゆるヒューマンドラマ的展開などまったくない、懲りないし改心しない。自分の生き方を絶対曲げない。それなのにこんなに好感度高いってすごくない?いっそ気持ちがいいってやつなのだろうか。

 

で、映画はDVDも購入してセリフを覚えられるくらい観ていて、いつかブロードウェイで本物が観たい。これなら訳とかなくてもよゆーだし。みたいな妄想をしていたのだが、なんと‥!来日公演のS席が買えたのです!!!涙

 

もうほんっっとうにすごかった‥!

まずJAZZの生演奏が本当に最高。CHICAGOの音楽を生演奏で聴けるなんて。そしてダンスも歌唱もやっぱり生の迫力はすさまじい。ミュージカルはやっぱり、生!これに限る!だけど舞台を観ることで映画としての魅せかたの妙もあらためてわかった。とくにオープニングでヴェルマの姿にロキシーが自分を重ねてしまう場面なんて、あれは舞台では表現できない印象的なシーンだ。

あと、実はCHICAGOは宝塚OG版だけ観たことがあって、(いやーずんこさんのビリーフリンいけてたわ)でも声を大にして言いたい。やっぱり音楽には原語で歌われてこその響きの美しさがあると思うんだよね。だって作曲者は歌詞の響きと音の調和を絶対に意図しているはずだもの。

なので・・!CHICAGOの曲を原語ですべて生鑑賞できちゃった!というのも涙がこみ上げるくらいうれしいことだったの。

 

最後に私が好きな楽曲ランキングをしたいと思います。

  1. ALL THAT JAZZ…テーマソングであり、名曲。ダンスも最高。
  2. CELL BLOCK TANGO(監獄タンゴ)…ヴェルマはじめ収監されている女たちが自分の犯した罪を開き直りまくって告白していく超かっこいい曲。もう、イントロからいけてる。
  3. NOWADAYS…作品の最後で歌われる、いっけん人間的な成長を感じられそうで、歌詞を見るとまったくそんなことない曲。なんかでもロキシーとヴェルマが楽しそうだからいっか、いえーい!ときらきら終わっていく。
  4. CLASS…ママ・モートンとヴェルマが「品格」が失われていく世の中を憂いて歌い上げる美しい曲。どこの誰がゆうとんねんと言いたくなるが、歌詞の韻も超カッコよくて最高だ。
  5. I CAN'T DO IT ALONE…当時、映画版でキャサリン・ゼタ・ジョーンズが最も高い評価を受けたのってこの曲だったんじゃないかな。。ロキシーの出現で立場を失いそうになったヴェルマが必死に「いっしょにやらないか」とロキシーに持ちかけるシーン。高慢なヴェルマが自分より格下だと思っているロキシーに、虚勢を張って話を持ち掛けるさまが人間らしくていい。この人、不器用なんだなとヴェルマの好感度が上がるナンバーである。