ボブ太郎の余暇とひとりごと

女子ウケしない、旅とか趣味とか。

バスを乗り継ぎ秘境・秋山郷へ行ってきた②

デマンド交通は自治体が地元の交通会社に依頼しているらしい。見た目は普通にタクシー。秋山郷は栄町に住む運転手さんが、長い道のりをいろいろお話しながら、本日宿泊する雄川閣までいざなってくれる。

 

越後湯沢駅からの長い道のり。雄川閣はこの国道405号線の先のほう

デマンド交通…見玉からの55分にわたるドライブで、まさかの300円である。(もっとお金とって!!!)自治体から十分な委託費が支払われていますように。。。

 

そしてこの国道405号線の道のりが本当に楽しかった!

道は暖冬ゆえ凍結こそなかったが、除雪車のためにガードレールが取り外されたなかなかの悪路、つるっとすべれば崖の下。運転手さん、すごいなぁ。そして眼下に見えるのは雪解け水がどうどうと流れる美しい中津川。

視界の両端に迫る冬の山々の壮麗なこと。特にトリカブト山の美しさにはうっとりしました。向こうを張る苗場山のなだらかで柔らかい山頂の稜線もすごくきれい。あぁ贅沢とはこういうことなのね。。。まるで大きな山の手のひらにすっぽり覆われてしまうかのよう。胸がいっぱいになる。

 

そうしてたどり着いたのは雄川閣という温泉宿だ。

宿につくとすらりと背の高いオーナーさん?が迎えてくれた。食堂にある本棚には山やマタギの本がたくさん並ぶ。(全部興味ある!)ストーブの匂いがして、ふるさとを思い出し、一気に懐かしい気持ちになった。オーナーさんはなぜか手から血を出している。

「すみません、犬と遊んでて」

そう、まさかの、クマの子みたいな真っ黒な甲斐犬もお出迎えしてくれたのだ。かわいいぃ。まだまだ子供で好奇心いっぱい。ぴょんぴょん飛びついてはひたすら舐めてくる。きっとこの子に兄弟がいたらこんなふうにじゃれあっていたんだろうな。それくらいの勢い。犬じゃなくてごめん!笑

 

美しい日本の冬

大自然の中の露天風呂!気温が低いのでずっと浸かっていられる。
普通に客室から見えるけど、入った笑

夕食は山菜やジビエ、そしてオーナーさんの作った十割そば。まさに滋味溢れるお料理で、心が満たされた。ほうじ茶も美味しい。。というかお水が豊かってすごいな。お茶もお料理もすべての質をあげているのはきっとこの美味しいお水だろう。沸かすととっても丸みのあるやわらかい白湯になる。人の手ではぜったいに生み出せない、山の恵みだ。

 

そして秘湯・切明温泉。とてもさらりとした質感の湯で温度もほどよくずっと浸かっていたくなる温泉だった。お肌もすべすべになる。なんだろう…温泉のなかには匂い・泉質ともにものすごく濃ゆくて力のある感じのものもあるが、切明温泉は柔らかく包み込むようだった。

 

こじんまりとした和室の客室で、お茶を飲み、ストーブに当たりながら、静かに本を読む。どどどどど、と音ではなく振動で川の存在を体感する。深い山の夜の暗闇では積もった雪がほんのり浮き上がっている。体ごと、この圧倒的な自然に包まれてとけてしまいそうだ。

私はなんだかとっても安心して、くつろいで、ぐっすりと眠りについたのだった。

 

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